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女子大学生の旅行日記

Day 8 東ヨーロッパ女一人旅 ベルリンで偽警察官の詐欺にあった話

 

ミュージアムからの帰り道、1人で真っ暗な道を歩いていました。

 

ヨーロッパで夜道を1人歩きすることはあまり良くないことは知っていましたが、

私の感覚のなかでは、まだまだ夜の7時。

 

それに大通りは本当に目と鼻の先のワンブロック向こうです。

 

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チェックポイントチャーリーが大通りなので、この地図を見てもらうと、テロのトポグラフィーがいかに大通りから近いかわかると思います。

 

完全に油断しきって、周りに誰がいるか把握しないままただ普通に、ぼーっとしながら歩いていました。

なぜならば、今のことろ何も怖いことは起きておらず順調に旅が進み、そして頭のなかではさっきのミュージアムで見たホロコーストの写真などを思い返していたからです。

 

 

すると、地図を持った1人の男に声をかけられました。

 

『すみません。ここがどこが分かりますか?』

 

なぜ、明らさまにアジア人である私に声をかけるのだろう?

そして有名なチェックポイントチャーリーはすぐそこで、道に迷うような場所でもないのだけど。

 

そう思いましたが、日が沈んだ暗い中、道に迷ってる人をほっとけないと思い、その男と一緒に地図を覗き込みました。

 

しかし、その地図はストリート名が書いてある細かい地図でもなんでもなく、

大雑把にベルリンの主要な観光名所のだいたいの位置が書かれた簡略化された地図でした。

 

そのため、自分たちの細かな場所を特定するのに時間がかかり、3分ほど地図を覗き込んでいた気がします。

 

 

すると、

どこからともなく私服姿の2人の男が現れました。

 

そしてこう尋ねました。

『君たち、こんなとこで何してるんだ。僕たちは警察だ。』

 

 

その瞬間サーーッと血の気が引いていくような気がしました。

 

ハメられた。これは偽警察官だ。詐欺だ。引っかかった。

 

即座にそう気がつきました。

なぜならば、偽警察官に装いお財布や身分証明書を確認する際にお金を抜き取る詐欺の手口がヨーロッパではあることを知っていたからです。

 

しかし、時すでに遅し。

気がつけばここは大通りの間の道路。主要な場所でないために周りに人はいない。

そして本当はグルである地図を持った男1人、それと私服姿で警察を装う体格のいい男2人に囲まれているのです。

逃げる隙もないし、逃げ出そうとした瞬間何をされるのだろうという考えがぐるぐると頭の中を回っていました。

 

が、 とにかく怖かったのでカバンを抱え込み彼らから一歩下がって自分と相手の距離をとりました。

 

すると、

 

警察の男『お前たち、こんなとこで何やってたんだ。麻薬でも交換してたんじゃないのか?』

 

地図の男『そんなことやってないよ。ほら、俺たちが持ってるのはこれだけだ。』

 といいながらポッケからタバコを取り出して警察に渡す地図男。

 

地図男のタバコを受け取り、その匂いを嗅ぐ警官A。

 

 

その様子をじっと見ている私。

地図男が簡単に警察にものを渡したのは、私の不信感を取り除き、地図男と同じ行為をさせるためです。

 

私の心の中は(はっ?!麻薬?! こんな大通りのすぐそばの道路のど真ん中で?! わざわざ日本から来てるこのリトルガールが?! そんなわけないだろ。  ってか、タバコの匂い嗅いでそれが麻薬かどうか嗅ぎ分けるってお前警察犬かよっ?!)

 

と、恐怖心がありながらも意外と冷静。笑

 

 

すると、次に、

警察の男『身分証明書を見せなさい』

 

即座に取り出して警察男に手渡す地図男。

 

私の方に体を向け、身分証明書を出すことを求めてくる警察男。

 

怖すぎて半泣きになりながら一歩さがる私。

だけど、今ここで見せられるのはパスポートしかありません。

国際学生証はお財布の中。 お財布を出したらお金を見せろと言われてしまいます。

 

私『やだ。絶対やだ。 私、あなた達が警察じゃないの知ってる。見せる意味がない。絶対見せない。』

 

と、鞄をひったくられないように抱えながら必死に伝えました。

 

警察男『怖がらなくていいんだよ。僕たちここで検査してるだけなんだ。ほら、ちょっとだけ見せて』

 

と、手をひろげながら近づいてきたので逃げるスペースもなく、

鞄の中身を男達から隠しながら鞄を開け、しぶしぶパスポートを渡しました。

 

じっくりと私のパスポートを見る警察男。

 

あぁ、ここで私のパスポートを持ったまま走り去られたらどうしよう。

そんな考えが頭をよぎりました。

 

しかし、意外とすぐに返してくれました。

 

そして、

警察男『その、鞄の奥のポケットには何が入ってるんだ?』

 

鞄の中からパスポートを取り出したとき、奥の奥のポケットに封筒があり、その中に旅行資金が入っていました。

どうやら、そのポケットを見られていたらしいです。

 

逃げ場がないので、しぶしぶ、鞄を私の方に向けながらポケットの中身を見せる私。

 

そしてもちろんポケットの中の封筒を見られそれを渡すように指示されました。

 

私はもう一歩、後ろに下がっていいました。

『絶対にいや。お願いだから私のお金とらないで。あなた達の手口は知ってるの。お金を確認するふりして何枚かとるんでしょう?でもこれは私の旅行のお金なの!!』

 

少しびっくりした顔する警察。

 

また、こんな暗い場所では危なすぎると考えたので、

『もしも私のこの封筒を確認するなら、もっと明るいところにいこう。近くにスターバックスがあるよ』

と伝えました。

 

すると、

警察男『今すぐ封筒を渡せないなら俺たちと車に乗って警察署に行くしかない』

と言われました。

 

今この状況よりも、車に乗ることのほうが怖すぎる、、、

車なんかに乗ったらどこに連れていかれるの?

 

そう考えた私は仕方なく。封筒を手渡しました。

 

封筒の中身を確認する警察男A。

そして、中のお金を確認しながら封筒から取り出し、なぜかもう1人の警察に手渡します。

 

私は、この2人でお金を移動させてる間に盗まれるのだ。と考え、男2人の手元をものすごい集中力でじっっと見つめていました。笑

たぶん、人生であんなに集中力を発揮したのは初めて。(笑)

 

封筒の中の日本円に気づいて

『このお金はどこのだ?いくらぶんだ?』

と、聞いてくる警察。

 

こんな状況でアホな質問してこないでよ。

と思いキレはじめる私。

『そんなこと関係ないでしょ。』

と言いながら手元をじっっと見つめたままです。

 

 

、、、、すると!!!

2人目の警察が左の手をすっと自分の体の後ろに隠したのです!!

 

お金を抜いた瞬間は見えませんでしたが、直感的に。 盗られた!!!と感じました。

 

『盗った!!私のお金盗った盗った盗った!!ねぇ、今盗ったでしょ!!』

 

と、もう1人の警察が持っている私の封筒を半ばひったくり返しながら叫びました。

 

 

今まで英語ペラペラだったのに、急に英語がわからないふりをして惚ける警察男。

 

怒り出して超真剣な私。

『返して!私のお金返して!今盗ったでしょ!その身体の後ろに隠してる左手は何!手の中見せなさいよ!私のお金返して返して返して!』

 

 1分ほどの沈黙とともに、地図を持った男はいつの間にか立ち去っていました。

しかし、地図男にかまっている暇はなく、盗られている自分のお金に超真剣な私。

 

 

すると、、、

警察男『ほら、行っていいよ。』

と言いながら左手を開き私のお金を返してくれたのです!!!

 

 

行っていいよ。じゃないよ。(怒怒)

 

と思いながらお金を受け取りプンプン怒りながら足早にその場を離れました。笑

 

 

とっても怖かったけど、私が一生懸命稼いだお金をなんであんな卑怯な方法で盗られなきゃいけないの。

と、帰り道とその事件あとの2日間くらいは本当に怒りで気持ちがいっぱいでしたが、ホステルに着いたときにはほっとして、こわかったなぁと思ってちょっと震えました。笑

 

そして無事にホステルに着いたので、慌てて封筒の中のお金を数えると、お金はぴったりあり、どうやら一円もとられていなかったようで全部取り返せていたので安心しました。

 

 

しかし、今考えてみるとあの状況は本当に危険だったと思います。

後ろから殴られて、お金もパスポートも全部盗られていてもおかしくなかった。

 

だけど、幸運だったのは、私が警察の手口を事前に知っていたこと。

なのでその状況に陥っても、警察だと信じこまず冷静に対応できました。

 

そして、彼らがきっとまだあまりプロではなかったので、狙った人がその手口を知っていた場合の対応を考えていなかったことです。

 

一番大きな理由としては手口を知っていたことが良かったですが、

そのようなパターンがあると事前に知っておきながらも、油断して気を緩めた状態で1人で日が沈んでからふらふらと出歩いていた私に非があったのは間違いもありません。

 

今回は何事もなかったですが、とてもいい勉強になったとともに、この一件でベルリンのイメージが悪くなってしまった夜でした。

 

やはり、旅行に慣れてきて油断している時が一番危険です。

しっかりと常に気を張っていれば、もっと周りに注意を払っていれば、あんな事は起こらなかったと思います。

なので、とても卑怯な手口の男たちでしたが、一番悪いのは油断しまくってポケ~と歩いていた私でした。

 

 

しかし、それよりも本当に怖かったのは、私の母でした。(笑)

 

何も言う前に、急に母からその日の夜のうちに連絡がきて

「何かあったでしょ?大丈夫?嫌な予感がする。」

と言われたことが一番恐ろしかった。笑笑

 

母、強しです。笑